(未婚)若年期の計量研究をするのがいろいろと難しいのにはいくつか理由があるが,ひとつには十分な大きさのサンプルセットを用意するのがそもそも難しい点が挙げられる.たとえば,JGSSに代表されるような総合的社会調査はいっぱんにかなり広めの年齢レンジでサンプルを抽出しているので,まず20−34(39)歳にサンプルを限定した時点でごそっと減る.それから婚姻上の地位,既婚者をおとすとまたごそっと減る(私は離死別者も除くんだけど,たまにクレームが入る).

そこから学生(調査時点で何らかの教育期間に在学中の者)を落とす(たまにクレームが入る).それなりに減る.結果的に,2000−2010を合体させても男女それぞれ1500ぐらいにしかならない(にもなる).ちな,2002はきょうだい数を聴取しておらず,2012以降は15歳時居住都道府県が聴取されていなのでこれを用いることができない.ガーンだネ.もうここまでやったらSSM2005とJLPSWave (2007)も合体させてもバチはあたらんやろとシコシコやってたら,出身家庭の暮らし向きのクエスチョネアが微妙に違うんよね.出生コーホートごとに標準得点だして,年収との相対所得比まで作ったんだけどなー.明日,ちらばり方をみて分布同じだったら,まあ許容できる,ということにしよう.

JGSS: 「あなたが 15 歳の頃のあなたの世帯収入は、当時の平均的な世帯と比べて、どうでしたか。」
1, 平均よりかなり少ない
2, 平均より少ない
3, 平均
4, 平均より多い
5, 平均よりかなり多い

SSM2005: 「その頃(中学3年生の時)あなたのお宅のくらしむきは,この中のどれに当たるでしょうか.当時のふつうのくらしむきとくらべてお答えください.」
1, 豊か
2, やや豊か
3, ふつう
4, やや貧しい
5, 貧しい
9, わからない

JLPS: 「あなたが 15 歳の頃のあなたの世帯収入は、当時の平均的な世帯と比べて、どうでしたか。」
1, 豊か
2, やや豊か
3, ふつう
4, やや貧しい
5, 貧しい
9, わからない

こういうの考えだすと無限に思考のリソースが奪われるのでほんとうによくない,のか? 神は細部に宿るってほんとですか,それ.こういうところから概念的問題の萌芽がみられればまあそのうち生産的なサムシングに繋がるのかもしれないけれど,よくわからん.去年つくった闇遊戯↓


居住地で比較したらどうですかというコメントをたまにもらうんだけど,これにうまく答えられたためしがない.なんて言えばいいのかな.2000年代前半の知見はわりと手続き的にガバガバで,しばしば非DID(あるいは非都市部)出身で,親との同居オッズが高いという結果が報告されるんだけど,これは親ではなく子の調査時点の居住情報を使っていることが多くフェアではない.すなわち,離家した者については離家後の居住地情報を変数化しており,因果的におかしなモデリングになっている.もっとも親の居住地ないしは出身(おおむね15歳頃)居住地の情報を使う研究なんてそうそうないだろうから(他には進学行動ぐらいか?),そこを批判してもしょうがない気もする(でも論理的に考えておかしいと思いませんかアナタ).地域特性は居住形態にだいたい男子でオッズにして2倍,女子で3倍ぐらいきいてくるのでこれは落とせない…(俺ニールセン調べ