お絵かきってやればやるほどなにやってたのかよくわからなくなるな。Excelでやってるから良くないんか? わからん(さいきん、わからんことばっかやぞ

ぷりびおす・すたでぃーず
・居住形態の実態・趨勢に関して知見が不一致だったよ。
おおむね未婚者の半数以上が親と同居していることに関しては決着がついているけど、ゲンミツにどれぐらいの人が親と同居しているかはよくわかってなかったし、その趨勢の向きも論者やデータによって異なっているよ。一貫して単調に増加していることを指摘する研究(西 2016)もあれば、ここ数十年あまり変化が見られないことを指摘する研究もあれば(出生動向基本調査)、女性に関してはむしろ単独世帯率が増加していることを指摘する研究もあって(稲葉 2012)、はっきりいってわけがわからないよ。

・それはそんなに重要なことなの
若年期の居住形態の実態・ならびに趨勢をきちんと把握することはたしかにあくまでも記述的な問いにこたえたことにすぎないけれど、それは重要なことだと考えるよ。他の研究テーマにたとえていえば、高等教育進学率の実態や動向がわかっていないのに、進学行動のマクロな変化や個人の選択についてミクロな議論なんてできるだろうか。同類婚の趨勢の向きすら特定されていない状況で、結婚行動のマクロな変化について議論することなんてできるだろうか(出来なくもない気がしてきた)。

・なんでそんなにズレるん?
これはややテクニカルだけど、以上のように,未婚者のおおよそ半数程度が親と同居していることに関しては知見が一致しているものの,用いるデータによって親元同居率には大きな違いが存在する.この理由として,坂本(2011)は,最も高い『出生動向基本調査』については,「調査員が調査票を受け渡す,訪問留置法を行っているため,単身者世帯よりも親と同居している二人以上世帯の方に偏っている可能性がある」と回収バイアスを指摘している.また,『労働力調査』については,塩谷・肥後(2009)が,「雇用者など特定就業状態(従業上の地位)の構成比の高い住戸が多く選ばれた場合,次の月も続けて調査されるため,2ヶ月続けて雇用者数が多くなり,同じように雇用者の多い調査区が選ばれた場合には,4ヶ月に亘って雇用者数が多くなる傾向がみられる」とサンプリングのバイアスを指摘しており,このことが無業者の多い同居世帯を過小推定している原因と考えられる.

・じゃあ、どうするん
公開されている個票データならびに政府公表集計のなかで、もっとも誤差が小さいと考えられる国勢調査の公表集計を再加工することで、できるだけ正確な居住形態の趨勢を記述してみるよ(しぬほどたいへんだよ

・データと再加工の手順
分析に用いた公表集計は,『昭和50年国勢調査 抽出詳細集計 表33 表38』『昭和55年国勢調査 抽出詳細集計 表12,表21,表22』『昭和60年国勢調査第1次基本集計 表1301 表1701,抽出詳細集計 表3201』『平成2年国勢調査 第1次基本集計 表024 表013 表1001』『平成7年国勢調査 第1次基本集計 表901』『平成12年国勢調査 第1次基本集計 表700』『平成17年国勢調査 第1次基本集計 表701』『平成22年国勢調査 人口等基本集計 表6』『平成27年国勢調査 人口等基本集計 表6』である.

未婚者の居住形態を分類する際に必要となる「親と同居する未婚者」は,国勢調査の公表集計からは直接得ることができない1.したがって,各年次において,未婚者の居住形態を分類するには,世帯表上の家族類型や世帯主の続き柄などからその数を算出しなくてはらない.山本(1999)は,1975年から1995年までの国勢調査の集計結果を用いて,世帯表の世帯類型区分を用いて未婚者の親同居割合を算出している.一般に世帯表の加工は煩雑なものとなるが,山本は,世帯主との続柄によって分類した場合や,『就業構造基本調査』との比較を通じて,精度の妥当性を確認している.後に,山本の区分を用いて福田(2003)も同様の分析をおこなっていることからも,山本の区分には一定の妥当性があるものと判断し居住形態の分類に用いた.

1平成12年(2002 )から新規に3次集計として親との同別居に関する集計結果が公開されている。しかし、後述するように、当該表においては、単独世帯居住者と非親族世帯同居ならびに施設世帯居住者が単に別居者とまとめられているため用いなかった。

居住形態の分類法の詳細は以下の通りである.国勢調査では,世帯は一般世帯と施設等の世帯にまず大きく分類される.総務省統計局(2017)の「世帯・家族の属性に関する用語」によれば、一般世帯は、(ア)住居と生計を共にしている人の集まり又は一戸を構えて住んでいる単身者(単身の住み込みの雇い人を含む)、(イ)(ア)の世帯と住居を共にし,別に生計を維持している間借りの単身者又は下宿屋などに下宿している単身者、(ウ)会社・団体・商店・官公庁などの寄宿舎,独身寮などに居住している単身者、のいずれかの世帯である.施設等の世帯とは、寮・寄宿舎の学生・生徒、病院・療養所の入院者、社会施設(老人ホーム,児童保護施設など)の入所者、自衛隊営舎(または艦船)内居住者、矯正施設(刑務所及び拘置所の被収容者並びに少年院及び婦人補導院)の入所者、その他(定まった住居を持たない単身者や陸上に生活の本拠(住所)を有しない船舶乗組員など)からなる.さらに、一般世帯は世帯主との続柄によって、「二人以上の世帯員から成る世帯のうち,世帯主と親族関係にある世帯員のみからなる世帯」である親族世帯と「二人以上の世帯員から成る世帯のうち,世帯主と親族関係にない人がいる世帯」である非親族世帯、「世帯人員が一人の世帯」である単独世帯の3つに分類される.さらに、「親族のみの世帯については,その親族の中で原則として最も若い世代の夫婦とその他の親族世帯員との関係によって」14の世帯類型に細かく分類されている.

若年者の居住形態については,次のように分類した.本稿は,未婚者の居住形態に関心があるため,まず未婚と既婚(離死別含む)の2つに分類した.未婚者の居住形態については,Goldscheider(1997)の分類を参照した.Goldscheiderは若年期の居住形態を3つに分類している.第1に,定位家族との居住,すなわち親との同居である.第2に,生殖家族との居住,すなわちパートナーや配偶者,子どもとの同居である.第3に,単独世帯での居住,すなわち賃貸住宅や下宿における1人暮らし,または親族以外の者との同居,学生寮や軍の営舎における施設居住である.本稿では,Goldscheiderの3つ目の区分をさらに単独世帯居住者と親以外の世帯員との同居者ならびに施設等の世帯居住者に区分し,若年者の居住形態を「既婚」,「未婚親同居」,「未婚単独世帯」,「未婚その他」の4つのカテゴリーに分類した(表1)2

2未婚の世帯員にも関わらず,(1)夫婦のみから成る世帯,(5)夫婦と両親からなる世帯,(6)夫婦とひとり親から成る世帯に居住している未婚者が存在するのは,一般世帯が住み込みの雇い人を含むためである(山本 1999).なお,実際の実数は0もしくはごくわずかな者にとどまるため結果に影響はない.

 

総務省統計局,1981,『昭和55年国勢調査 抽出集計結果 表12,表21,表22』
総務省統計局,1986,『昭和60年国勢調査第1次基本集計 表1301,表1701,抽出詳細集計 表3201』
総務省統計局,1991,『平成2年国勢調査 第1次基本集計 表024,表013,表1001』
総務省統計局,1996,『平成7年国勢調査 第1次基本集計 表901』
総務省統計局,2001,『平成12年国勢調査 第1次基本集計 表700』
総務省統計局,2006,『平成17年国勢調査 第1次基本集計 表701』
総務省統計局,2011,『平成22年国勢調査 人口等基本集計 表6』
総務省統計局,2016,『平成27年国勢調査 人口等基本集計 表6』よりワイ作成。

自分の作業メモが適当すぎて再加工の手順が書きにくい。ちゃんとやっとけや!

-を0に変換すること
2010 2015 ***を0に変換すること
2005 2000 1995 1990 *記号はワイルドカードなので,~***で変換すること
列のならびが年度によって異なるので,正しくセルを参照しているか指さし確認
1990はクソめんどい.家族類型の表には施設等と単身者は含まれていないので,別表から作成して合体させる必要がある.福田2003の表とほぼほぼ一致したので,まあたぶん大丈夫.福田さんはこれ,estatじゃなくて紙でやったのか?すごいな.
1985も1990と同様。施設類型の表が今までのに比べるとかなり省略されている。
1990の自衛隊営舎内居住者の割合から按分した 1980はPDFしかないので3つの表から入力した。いくつか区分も違うので、セル参照注意
福田2003は、1980からしか集計していないみたいだけど、元の山本1999をあたると、1975から集計できるようだ。世帯類型表と準世帯類型表を組み合わせるとそれっぽくなる。準世帯の区分がかなり異なる。死別・離別が同カテゴリ(時代を感じる)


なんかさいかにも「犬の道」ってかんじがすることやってますよね。お城を本丸をロケットランチャーでぶっ飛ばすような研究したくないですか? したいです。そのためにいまこれやってる。たしかに「ために」やってる。それでも最後まで腐らずがんばれよ。

すごいどうでもいいけどマジかよ案件に遭遇した。2010年より、非親族世帯の分類が変更されている。なんか途中からゼロセルでてきたからおかしいとは思ってたんだよ。謎の注ばっか増えるよ。複雑すぎて日本語で説明できない。じみにこれ日本の家族社会学史的には、森岡先生げきおこ案件よな。うーん、よく考えるとこれって大事件だよね。数値自体はこのカテゴリーに該当するのって国調レベルで3桁程度なんだけど、おかみの分類方法がかわるってのはちょっと衝撃。「非家族的生活者の推移」論文自体は伝説レベルの論文なんだけど、今日それがcitation classicになったかというと微妙だし。過去の遺産をちゃんと受け継いでないみたいな声もたまに聞くけど、どうも深い断絶がありすぎて、使いにくいんだよね。http://www.stat.go.jp/data/kokusei/2010/users-g/word2.htm

2010年より世帯の家族類型に関する統計利用の便のために、非親族世帯の分類が大きく変更されている。すなわち、「親族世帯」と「非親族世帯」に大別されていた区分が、「親族のみの世帯」と「非親族を含む世帯」に変更されている。これは平成17年以前の調査では、親族のみの世帯に同居する非親族(住み込みの従業員、家事手伝いなど)がいる場合は、親族世帯に含まれていた。たとえば、「夫婦のみ世帯」という場合に、夫婦2人のみの世帯のほか、夫婦と住み込みの家事手伝いからなる世帯も含まれていた。ただし、いずれにしても「未婚その他」に該当するものは「非親族世帯」カテゴリー含まれるため、変更による影響はないと考えられる。


「形式は内容を規定する」