East Asian Junior Sociologist Forum の準備で手一杯だったので,RC34ガン無視だったんだけど,どう考えてもこっちに行くべきだったな.
次のカナダはぜったいアプライすっぞ.
この記事では、RC34(Sociology of Youth)への 日本の研究者の参加状況や、私と Tuukka Toivonen 氏(ロンドン大学)が共同で企画・運営したセッシ ョンの様子を紹介する。
RC34 は 40 年ほどの歴史をもち、ISA サイト活動資金割り当て基準によれば第 4 位の区分(175 ~ 199 人)となり、比較的規模の大きな委員会と 言える。また 7 月 15 日に行われたビジネスミーテ ィングの情報によれば、約 50 カ国の会員から構成 され、今大会開催国という事情もあるが、会員登録 数は日本が最多となっている。会期中は 23 のセッ ションが行われ(合同セッション含む)、今大会サ イトのデータによると報告者数が 208 と 11 番目に 多く、プログラムで確認したところ、そのうち 20 報告(ペーパー配布を含む)が日本の機関に所属す る研究者によるものだった。
今大会で日本の研究者が企画・運営したもの は、Japanese Youth Studies と、私たちが企画した Towards a Comparative Sociology of Youth の 2 つだ った。
Japanese Youth Studies は初日午前中かつ 1 つの 国に関わる内容だったにもかかわらず、出席者が非 常に多く、日本の若者文化に関する細かな質疑応答 においては、司会の浅野智彦氏(東京学芸大学)と 羽渕一代氏(弘前大学)のフォローもあり、活発な 議論が交わされた。
Towards a Comparative Sociology of Youth は Part1(質的アプローチ)と Part2(量的アプロー チ)の 2 つに分けて行い、日本の研究者としては、 Part1 で赤川学氏(東京大学)、Part2 で牧野智和氏 (日本学術振興会)と辻泉氏(中央大学)が報告し た。当初 5 名の登壇者を想定して報告を募集したが、 20 を超える応募があり、プログラム委員の配慮の 末、2 つのセッションで 10 名に登壇してもらうこ ととなった。途中の入退室があったが、平均して Part1 では約 50 名、Part2 では約 30 名が会場にいた。 このセッションは、比較というアプローチから若者 を社会学的に研究する際の課題を共有し、方法論的 な議論を行うことを目的として報告を募ったため、 テーマや対象は多種多様となった。しかし、どのよ うにそれが比較の研究と言えるのか、比較対象間の 共通性と違いを明確にしたうえで報告をするよう登 壇者に予め依頼し、ペーパーや資料を 10 日前には PDF で共有していたため、報告後のパネル討論では、 個々の報告内容の質疑に終始することを最小限にできた。言語・文化・制度が異なる国での調査票の翻 訳、比較対象数が多い場合の困難、複数の対象への 概念の適用とその比較を行う立場に対する再帰性、 などが課題としてあがった。
RC の懇親会の手配は日本の研究者数人で行った が、当日参加者を募る形式にするよう委員長から依 頼されたこともあり、各自がその場で注文し、支払 いも自分が飲み食いした分のみをきっちりという形 だったので、会計係の私が途中で帰る順に計算し、 逐次集金しなければならなかった。ワリカンやおお よそで支払うという日本の飲み会に慣れている身と しては、これも貴重な経験だった。
今回の日本での開催は、留学や在外研究の経験が ない一若手研究者の私にとって、今後の国際研究活 動の方針を考える重要な機会となった。RC との関 わり方は人それぞれと思うが、アルゼンチンでのフ ォーラムに続き RC34 に絞って出席することで、ま た今回の開催国の研究者ということもあり、主要メ ンバーにより認知してもらえるようになった。この 前進を、大会および RC への継続的な参加によって、 具体的な研究活動に繋げていきたい。
寺地幹人,2014,「RC34報告」『日本社会学会ニュース』212: 19-20.